現役キャリアアドバイザーが晒す、派遣の闇とその裏側

派遣の闇と裏、すべてお話しします。

働き方改革は派遣労働者にとって朗報か?

働き方改革


 2019年は働き方改革関連法が順次施行される年です。
残業規制や年次有給休暇の強制取得など、一見すると労働者保護のように見える法案の施行が目白押しです。
 そして、あまり公に議論されることは少ないですが、来年2020年には所謂「同一労働同一賃金」が制度化されます。
これの小難しい部分は厚労省のページに譲るとして、本質は以下の3点にあります。

 

1.本格的な外国人労働者の参入を加速させるため。
2.我が国の所謂「労働生産性」を一気に向上させるため。
3.(上記2に関連して)少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少を補うため。

 

 この項目については追々考察していきますが、現在派遣として働いている方々にとって死活問題となる事について、「匿名」だから言えることをこのブログで吐き出したいと思います。

 

 まず、年次有給休暇と残業規制ですが派遣先・派遣元がまともな企業ならすでに今年の有給取得や残業の在り方(取得の仕方)などについて何らかのコンセンサスを図っていることと思います。

 

 もしそうでないなら、少し警戒しておいた方がいいでしょう。
というのもこの年次有給休暇取得には、仮に労働者側が「有休をとりたくない」と言っても決められた日数の有給を取得させない企業には罰則が設けられたことが気がかりです。

 

 これがどのような事態を招くかというと、まともな派遣先・派遣元ならある程度の計画性の中で派遣労働者全体の年次有給休暇をコントロールするわけですが、派遣先・派遣元のどちらかが行き当たりばったりだと、期末が近づくにつれ派遣労働者の都合などお構いなしに有休を取得させてくるわけです。

 

 私なども例えば水曜日など週の半ばで、体調が悪いわけでもないのに急に休んでもなんだか無駄に時間を費やしただけで(有休を無駄に浪費しただけで)なんだか損をしたようなモヤモヤ感があります。
 些細なことですがこのようなことがいやおうなしに訪れるわけです。

 

 これから、働き方改革とやらが本当に労働者、特に派遣労働者のためになるのか本格的に考察していきます。

人材派遣と働き方改革

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 働き方会改革関連法案が今年6月に国会で可決され、非正規雇用の皆さんはどう感じられましたか?

 これで正社員と同じ待遇になる!と過剰な期待を抱いている方がいるんじゃありませんか?

 おそらくそううまくはいかないでしょう。

 まず、非正規と正規の待遇を均等あるいは均衡させるために、できるだけコストを下げたい企業は正規の方の待遇を非正規に寄せることになるでしょう。

 すると非正規への風当たりが強くなり、高い能力を求められることになります。

 しかしそういう企業の本当に優秀な正規社員は離れていくでしょうから、非正規への風当たりと業務量は増えるばかりで職場はかなり荒んでしまうでしょう。

 方や、正規の給与をむしろ上げるような企業には人が集まるので必ずしも非正規を必要としないわけです。

 従って本当に生き残る非正規(派遣)は有能なのに唯々こき使われるだけということになります。

 おそらく中期的な視野で見てみますと、非正規は外国人や高齢者などに集約され、よほど優秀でオンリーワンのスキルでもない限り高待遇は望めないでしょう。

 匿名のブログだから言えることですが、これからの時代派遣はお勧めしません。「派遣しか道がない」なんてことにならないように少しでも自分のスキルを磨く努力をした方がいいですよ。

バックレたらどうなる?

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 派遣でお仕事をされている方々が、無断欠勤の末連絡も取れずやむを得ず退職処理をすることがあります。これを業界内では「バックレ」とか「トンズラ」とか言いますが、いずれにしてもあまり褒められたことではありません。

 しかし、「辞めたい」と申し出てもなかなか辞めさせてもらえなかったり、逆に賠償だのなんだのと「脅し」をかけてくるコーディネイターもいたりして、派遣を辞めるというのが意外と厄介だったりします。

 

 では、まずいわゆる「バックレ」るとどうなるのかというと、対応は「辞め方」にもよりますが、派遣元の規模により違います。つまり多数の在籍を抱えている大手などにとっては日常茶飯事なので淡々と事務的に処理することになります。

 

 一方家族的(?)な少数型(おおむね稼働在籍1000人未満)派遣元ですと一人のバックレは売り上げに大きく影響しますから、必死で探して説得しようとします。

 また、これは大手にも言えることですが、人材不足の昨今いわゆる「定着」がコーディネイターの業績評価基準となっているケースがほとんどで、これが「脅し」やしつこい「慰留」につながっています。

 

 また製造派遣などに多いですが、派遣元借り上げの寮などに入居していると部屋に残された品々の処分に困るため執拗に連絡を取りたがります。

 

 いずれにしても、派遣先のモノを盗んだり、誰かに危害を加えただの犯罪がらみでない限り「バックレ」たからと言って訴えられたりすることはめったにありません。

(私の知る限りでは、過去10年間の間に1度だけありましたが)

  ただ、派遣元のデータベースなどにはしっかり記録されますが・・・・。

 

 派遣労働者と派遣元と派遣先企業には、利益が相反する部分があり水面下ではドロドロとした闇が広がっていますが、その戦い方などはまたいずれ。

とりあえず派遣で働こうと思ったら。

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 仕事を探す理由は人それぞれだと思いますが、もし今の仕事が正規雇用で人間関係やその他の理由で転職を考えているのなら、”とりあえず”で派遣を選ぶのはやめた方がいいでしょう。つまり、どうしても派遣で働く必然性があるのか、もう一度よく考えてください。

 

 人材派遣業の商売としての構造は、調達した人材を「時間単位」で切り売りしているにすぎません。何もしなくてもというのは言い過ぎですが、基本的には派遣労働者が働いた時間に比例して利益を薄く頂いています。

 

 何が言いたいかというと、例えば(わかりやすいようにキリのいい数字にします)派遣会社と派遣先企業間で時間当たり¥1,000の取引があった場合、相場的には派遣労働者に約¥600から¥700が賃金として支払われます。(ひどいところは¥500なんてところもありますが)すると当然残りが派遣会社の取り分ですが、本来派遣労働者が直で派遣先に雇われる場合には必要のない(厳密には異論もありますが、あえて大雑把に言うと)部分です。

 

 2018年9月現在、大変な人手不足で各企業(特に中小企業)は大変苦労しています。どうしても派遣で働かなければならない理由はありません。

 転職を考えているなら、余裕のある今のうちにちょっと勇気を出して自分を企業に直接売り込んでみるのもいいかもしれませんよ。